2009年4月7日火曜日

NHKクローズアップ現代:「“派遣切り”農業をめざす」

あらら。例によって例の如きアホ番組:
NHK 番組表: "深刻な雇用不安の中、失業者の受け皿として注目されている農業。しかし期待通りには雇用が進んでいないのが実情だ。農業での雇用のミスマッチの現状と課題を追う。"
なんで問題の本質を語らないのだ。

ニッポンの農業の根本問題は「農業従事者数」が多すぎることにある。狭い農地が細分化され、それぞれに地権者がいて、田畑で働く人間が多すぎるのだ。非生産的な仕事をしていても政治的にかれらの生活は保障されているから(リストラ一切無し)、矮小農地で生産された農産物価格は限りなく天文学的なものとなってしまう。これでは輸入品には太刀打ちできない。だから一層どんどんダメになり耕作放棄地が広がる(それでもお金がもらえる)。食料自給率は下がるばかりなのである。

それなのに政府は農業へ失業者を送り込もうとする不可解なキャンペーンを広げている。でも、みんな三日で辞めるという。当たり前だ。月給はわずか16万円。これは搾取以外の何ものでもない。地元では派遣切り社員なんかは作男か農奴として捉えられているからたくさん払う気なんか、ははなからない。頑張れば農業経営者になれるというが地主に地代を払った上でのこと。儲かるのは地主だけ。はやいこと辞めてよかったねとしかいいようがない。

金子勝は「理念を持った損得抜きの人」が農業に入るべきだという。「搾取願望」まるだし。アホか。農村地主にとっては都合のいい労働力だろうが、理念ばかりで腹がふくれるか!

ヨーロッパでは中世以来何度となく「エンクロージャー(農地の集約化、大規模化)」が進んだ。そのおかげで昔は矮小農地に分割されていた欧州農業も今や大規模化・省力化されて世界に冠たるもの。ところがわがニッポンではエンクロージャーが全く進まなかった。戦後はむしろ逆行してしまった。だから農地は極端に細分化されたままで、生産性が極端に悪い。日本の農業従事者数比率は国際的に見て異常に多いのだ。そこに過剰労働者を送り込もうとするのは「愚」以外の何ものでもない。

今度自民党はニッポンの農業のために一兆円のバラマキするという。全部(諸悪の根源であるところの)金持ち農村地主の間で山分けされるのは目に見えている。これじゃダメだ。

2 件のコメント:

ushihaha さんのコメント...

散人殿、こんばんは。
私は農地で働いている姿を殆ど見たことがないです。
TVではよく見るんですけどね。

Unknown さんのコメント...

土曜と日曜だけ働けばそれで十分なんです。コメは手がかからない。だから地主さん達は公務員とかの仕事に就くのが普通です。そっちが本業だから農業は将来農地転売できればボロ儲けできる不動産業だと考えている。ニッポンの農業は衰退するばかり。